STAND BY YOU

カラスと仁義なき戦い

 何年か前、家の前の電柱にカラスが巣をかけた。その折に生まれたカラスの1羽が、羽の一部が白くて目立つので、個体識別している。もちろん、愛着を感じているわけではなく、生ゴミを散らかしたり庭の金柑を私の自転車を汚しながら食ったりするので目の敵にしている。金柑は枝が細くて葉もびっしりついているので、カラスは止まれない。ホバリングしながらつついたりはできないので、真横の自転車のサドルに乗って足場をしっかり定めてつつくのだ。自転車が食べかすでべとべとになる。

 カラスは空から嘴で攻撃してくるのではなく、足で蹴りを入れてくる。それを知って以降さして怖くなくなった私は、庭に集まって悪さをしているのを見かけた瞬間に躍り出てホースで水を撒いて威嚇するようになった。あいにく高圧洗浄タイプではなくごく普通のホースゆえ、インパクトはいまいちで単にジャーッという感じ。でも殺意をみなぎらせて飛び出してくる様にびっくりするようで、「ガアっ」と鳴いてバッサァと一斉に飛び立つ。ただし油断しているとほとぼりが冷めた頃にまた戻ってくるので、気が抜けない。

 カラスはエサを見つけるとすかさず友達を呼んでくるので、去年、20羽超(窓の内側で数えた)で金柑をつついていた時は正直ひるんだが、見過ごすわけにはいかず決死の覚悟で突撃、蹴散らし、怒りに任せてその場で片っ端から実を摘み取ってやった。カラスどもは遠巻きにしていたが、やがて散り散りに帰っていった。いや、覚えられることは知っている。その後、玄関先で真横に糞を投下される嫌がらせも受けたりしている。でも、負けるわけにはいかない。
黒いマントで巨大カラスと化し、カラスに向かって両腕をバッサバッサ振ると効果的な威嚇になるらしいので、いいマントを見つけたらぜひやってみたいと思っている。
「うちのジイちゃん言ってたけど、アイツ、マジヤバいらしいで」と、近所のカラスたちに世代を超えて語り継がれ恐れられたい。

コラム by 【きよ】