信号のない横断歩道から見る思いやり
数年前、免許取得したての息子を助手席に乗せてドライブしていたところ、「母さん!今の違反やで!」と注意を受けました。
信号無視もスピード違反もしてません。何が違反だったのか尋ねると、「横断歩道に歩行者いてたのに止まらんかったやん」と言われました。
お恥ずかしながら、横断歩道を渡る歩行者に、ドライバーが道を譲る行為を”優しさ”くらいの認識でいました。
実はこれは「交通ルール」で決められていて、道路交通法では、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるのに、一時停止しない場合は「横断歩行者妨害」となり、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金、反則金普通車9千円、違反点2が設けられているそうです。
運転される皆さん、ご存知でしたか!?
それ以来、歩行者がいる場合はちゃんと停止するようになりました。
この一時停止率のランキング一位が、ダントツで長野県であることをニュースで知りました。
2023年のJAF調べだと、長野県の停止率 84.4(1位)、我が大阪府の停止率は26.7%(44位)という残念な数字にがっかりしましたが、それよりも驚いたのは長野県民の行動でした。
横断歩道では車はほぼ止まってくれるし、横断歩道を渡った人(大人も子どもも)が車にお辞儀をするというのです。
長野県では、止まってくれた車に向かってお礼の意味をこめてお辞儀をすることを、幼稚園や小学校、ご家庭で教えているそうです。
車が止まってくれることを経験した子どもが、大人になって、自分が運転する側になった時には、止まるのが当たり前になっているという思いやりと習慣が脈々と続き、髙い停止率につながっているそうです。
長野県の方の「思いやり、優しさ、心の余裕があるから“お先にどうぞ”と言えるんです。我先にと人を押し退けたりしない」というコメントがとても印象に残りました。
普段の生活においてももちろんですが、大きな災害があった時に最も大事なことが、この「思いやりと優しさ」です。
何かあった時のために、普段から皆で心がけて、自分たちの住む街が「思いやりと優しさ」でいっぱいの街になればいいなぁと願います。
コラム by 【卒業生】